緑花ガイド
トサミズキ・ヒュウガミズキ
トサミズキ
マンサク科トサミズキ属の落葉低木で、やや小高木状になり、高さ2~4mになります。
その名のとおり四国(土佐)の原産で、性質は強健で、生長が早く、早春の花木として庭などに植えたり、切花、鉢植え、盆栽と広い用途があります。植え込みの前づけや生垣に仕立てたり、庭石や燈籠に添えたりするのもよいものです。
植え付け
厳寒期を除く12月から彼岸までに行います。寒い地方では花の咲くころに植えます。日なた、日陰ともによく育ちますが、水はけのよい肥沃な場所が最適です。大きめの植え穴を掘り、堆肥を混ぜておきます。根鉢は半分くらいくずして、高植えにします。
整枝・剪定
放任しておいても自然に株立ちの樹形になりますが、1~2月に樹形を整える程度に長く伸びすぎた枝をつけ根から切ります。春に枝を切ると〈水木〉の名のとおり、切り口から水が吹き出し、木にあまりよくないので、切花用に切る程度にとどめておきます。
小さく作りたいときは、ヒコバエを見つけ次第切り取り、枝幹を2~3本にし、そこから枝を出させると、違った風情が楽しめます。
施肥
冬の間に鶏ふんなどを施し、樹勢をよくしておくことが大切です。
病虫害
根元に発生するテッポウムシには、穴にマラソンやスミチオンの原液を2~3滴注入して、穴をふさいでおきます。
ヒュウガミズキ
トサミズキと同じマンサク科トサミズキ属の仲間で、トサミズキに比べて花と葉が小さく、枝が細い落葉低木です。福井、京都、兵庫に多く分布し、高さ1m前後でトサミズキよりも小ぶりで、枝は多く分枝して、半球形状の整然とした樹形になります。性質は強健で、北海道南部以南の地域で、庭や公園に花木として植栽され、刈り込みにも強いので生垣としても植えられています。
園芸店などでは、ヒメミズキの名で呼ばれています。
植え付け
11月から3月にかけての落葉期に、日当たり、水はけのよい腐植質に富んだ肥沃な場所に植えます。根が深く、よく張るので、土留用として斜面などの植栽に適しています。植え穴は大きく掘り、完熟堆肥をすき込んで植え付けます。
整枝・剪定
放任しておいても樹形は整いますが、3~4年目ごとに強く切り詰めます。小枝が密生したら、玉状や角状に刈り込むこともできます。強剪定は花後に、枝先を軽く整理する場合は1~2月に行います。
施肥
2月、5月下旬、9月上旬に、油カスと化成肥料を等量に混ぜたものを、1~2握り、根元にばらまいておきます。
病虫害
日当たりが悪いと、4~7月にうどんこ病が発生することがあるので、定期的に殺菌剤を散布して予防します。また、ドクガが好む木で、5月に毛虫が発生することがあります。この毛虫に刺されると、皮膚がはれて痛むので注意が必要です。