緑花ガイド
ハギ
秋の野に 咲きたる花を 指折りて かき
(ハギ ススキ クズ ナデシコ オミナエシ フジバカマ キキョウ)
秋の七草の筆頭におかれ、紫紅色の蝶のような花が咲き乱れるハギは、秋を代表する花木です。
茎は基部のみ木化し、上部は草状であるため、地面に垂れ下がる樹形になります。茎の上部の葉腋から葉よりも長い花柄を出し、総状
花序をなして花が咲きます。
ハギは、一般には総称名として使われることが多く、学問上はヤマハギの別名とされます。
紅紫色、濃紅紫色、淡紅紫色、淡紫白色、白色など様々な花色があります。花は小型で地味ですが、上品で風情があり、優美な趣があります。
ハギの種類
庭によく利用されるヤマハギのほか、花つきのよいミヤギノハギ、白花のシロバナハギ、冬になっても枝が枯れないキハギなどがあります。
植え付け
地中で芽が活動を始める時期が早いので、1~2月に、水はけがよく、腐植質に富む肥沃な場所に植えます。地上部は短く切り、根は浅く広く張っているので、できるだけ切らないように長く掘り取り、切り口は切り戻しておきます。植え穴には、堆肥をたっぷり入れて、やや深植えにして、土は盛りぎみにすると根がよく張ります。
芝生の中など広い場所に単植し、大株に仕立てると見ごたえがあります。列植や群植にする場合は、株間を離して植えます。
斜面に植えると、根が張って、斜面の土くずれを防ぎ、枝先がきれいに垂れて観賞用としてもよい。
池の端に植えて、水面に向かって枝を垂らすと風情があります。ヤクシマハギは、小型なので、鉢植えにも向いています。
冬に刈り込んだ枝は、袖垣の材料としても利用できます。
整枝・剪定
放任するとかなりの大株になります。丈を抑えるには、12月から翌年2月に、地際から5cmほどを残して、地上部を全部刈り取り、枝の更新をします。
施肥
やせ地でもよく育ちますが、寒肥として鶏ふんや化成肥料を根元周囲に施します。根が根瘤菌と共生しているので、窒素分はあまり必要ではありません。
病害虫
病害には、うどんこ病、さび病、褐斑病、葉枯病などがありますので、殺菌剤を散布して防除します。
虫害には、ヒゲナガアブラムシが発生します。風通しが悪いと発生しますので、枝を切って通風をよくしてやります。
殖やし方
さし木は、3月に前年枝を20cmほど切るか、または7月上旬に新枝を10cmに切り、赤玉土か鹿沼土に挿します。
また、11月から翌年2月に株分けによって殖やすことができます。