緑花ガイド
ダリア
現在のダリアの品種は、メキシコやグァテマラの高原に自生する6種の原種から改良され、30,000を超える品種が作出されてきました。
花の色は、青色を除いて白色から赤色にいたるまで、ほとんどの色彩がそろっていて、美しい覆輪のものもあります。
花弁の形も幅の広いものから糸状のものまであり、一重咲き、半八重咲き、八重咲きと変化し、デコラティブ、カクタス、ポンポンなど様々な花形が作られています。
花の大きさも径3cmの極小輪から、小輪、中輪、大輪、巨大輪まであり、径40cmを超えるものまであります。
初夏から秋まで、長い期間よく咲き続けて、庭を彩ってくれます。
植え付け
ダリアの球根を選ぶコツは、球根の大小よりも、首がしっかりしていて、芽の部分がついているかどうかということです。
ワックスの塗ってある球根は、芽と反対の根の部分を少し切り、水分を吸収できるようにします。
4月中旬から5月上旬に、日当たりと水はけのよい場所を選びます。日照は、少なくとも午後3時ごろまで日の当たる場所が必要です。
深さ30cm、幅30cmぐらいの植え穴を掘り、球根を埋める前に、支柱を立てておくと、後で球根を傷つける心配がありません。植え穴の下から20cmぐらいは、土と肥料をよく混ぜて入れ、さらにその上に土だけを5cmぐらい敷いて球根を置き、上にも土をかぶせます。球根は芽の部分を真ん中の支柱に近づけて横に置きます。
施肥
定植地には前もって、堆肥、油カス、鶏ふんなどの有機肥料をすき込んでおきます。
追肥は、窒素分よりもカリ分やリン酸分の多い化成肥料を1㎡あたり、100g程度を3~4回与えます。最終の追肥は8月下旬までとし、9月に入っての追肥は避けます。
株分け
ダリアの球根は、根との接合部であるクラウンにしか芽をつけないので、分球するときには必ず芽があることを確認して、各球根に1芽つくように、クラウンごと切りわけます。球根だけでは芽が出ません。
病害虫
成長した株が急にしおれる青枯病にかかったら、見つけ次第抜き取り、翌年からは連作をさけます。ウイルス病にかかった株は、抜き取って焼却します。
アブラムシがついたらすぐに殺虫剤を散布し駆除します。夏には赤ダニ、スリップの被害も多いので注意を要します。
掘り上げ
秋に霜がおりて葉が枯れたら、茎を根元で切り、球根を傷めないようにていねいに掘り上げます。5℃以下になると球根は腐敗するので注意します。
貯蔵は、木箱やダンボール箱に、球根とともにおがくずやピートモスを入れて、5℃以上になるように保存します。
南関東や暖地では、掘り上げなくても、土寄せするぐらいで越冬します。
仕立て方
巨大輪や大輪は、1本仕立てにすると大きな花が咲きます。側芽や中央部以外のつぼみは早いうちに摘み取ります。地上から3節までのわき芽は、2番花のために摘まないで残しておきます。球根から多くの芽が出たときも早めに1本にします。天花が終わったら、地上から4節残して節の上部で切り、切った後は茎の中に水がたまって腐りやすいので、節の上に穴をあけておきます。残った3節の芽は、一方だけ交互に伸ばして、3本仕立てにします。
中、小輪やポンポンは、天花を咲かせた後で、2番花は1株に4~5本立てます。3番花や4番花は1株に8~10本立てるようにします。
コダチダリア(コウテイダリア)
コダチダリアは、中央アメリカの
メキシコからコスタリカにかけての
熱帯地方の高地に分布し、草丈6m
に達するダリア属最大の植物です。
園芸品種のダリアには四季咲き性
がありますが、コダチダリアは秋咲
きで、日本では晩秋から氷点下の気
温が続く初冬にかけて開花します。
地植えの場合は、年を追うごとに
塊根のクラウン部分が地表面近くに
上がってくるので、2~3年ごとの
植え直しや株元への客土が必要です。
繁殖は、株分けでも出来ますが、塊根が非常に大きくなるので切り分けることが困難になるため、さし木で殖やした方が簡単に出来ます。さし木の適温は、15~20℃で、特別の施設がなくても真夏の高温期、真冬の低温期を避ければいつの時期でも可能です。さし木用の穂木は、木が成熟し固まっていないと腐敗することが多いので、親株の主茎の側枝の中央部分を使います。