緑花ガイド
ベゴニア
ベゴニアは、シュウカイドウ科の宿根草で、オーストラリアを除く全世界の熱帯から亜熱帯にかけて広く分布しています。原種の多くは、標高1500~3000mの高地で、気温7~30℃の温和な環境に生えています。
形や性質から、木立性ベゴニア、根茎性ベゴニア、球根ベゴニアに分けられ、花壇や庭植えからインドアプランツまで、幅広く楽しまれています。
ベゴニアの種類
木立性ベゴニア
茎がまっすぐに立ち上がって伸びるグループの総称で、この中には、茎がタケに似て節があり、節間のやや長い矢竹型、株元からたくさんの茎が出て茂る叢生(ソウセイ)型、茎が多肉状に太ってあまり枝分かれしない多肉茎型、細長いつるになって垂れ下がる、つる性型とがあります。
花期は春から秋までと長く、花色は、白、桃、橙、紅、赤とその濃淡があります。花柄は二又分岐を4~7回繰り返して、シャンデリアのような大きな花房になります。
四季咲きベゴニア
木立性ベゴニアの叢生(ソウセイ)型に、四季咲きのベゴニア・センパフローレンスがあります。本来は木立性であったものが、改良が重ねられて、たくさんの園芸品種が作られています。いずれも丈夫で作りやすいために、広く普及しています。
草丈15~20cmでこんもりと茂り、ピンク、白、橙、紅の花が株を覆うように咲きます。最低7℃あれば、一年中花をつけます。
根茎性ベゴニア
太い根茎が地面をはって伸びる種類で、根茎の各節から葉を伸ばしてこんもりと茂ります。
葉は直径1~50cmと多様で、形も卵形、ハート形、丸形などいろいろあり、葉色も緑色だけでなく、チョコレート色、銀白色、赤色、桃色などの斑点や模様が入って多彩です。
葉色が美しいことと比較的少ない日射量でよく育つので、インドアプランツとして楽しめます。花は、多くの種類が冬から春にかけて咲きます。
球根ベゴニア
夏咲きで、球根ができます。花色が豊富で、一重咲きから八重咲きまであり、大きいものでは直径20cmを超えます。しかし、30℃を超える暑さに弱く、高冷地を除き、日本の夏ではうまく開花しない場合があります。
最近、園芸店で見かけるエラチオールベゴニアは、球根ベゴニアとベゴニア・ソコトラーナとの交配で作られたもので、冬咲きで、花が美しく、作りやすいために急速に普及しています。
置き場所
四季咲きのベゴニア・センパフローレンス、木立性ベゴニア、球根ベゴニアは、比較的明るい場所を好むので、11月~翌年4月中旬までは日の差し込む窓辺に置き、室温を最低10℃に保ちます。
ときどき葉水をするか。ビニールで覆うなどして空中湿度を保つようにします。4月中旬以降は戸外の半日陰に置きます。
根茎性ベゴニアは、年間を通して室内の明るい日陰に置きます。
施肥
園芸店で買った鉢は、中に肥料が入っているので、しばらくは水やりだけで十分です。
追肥は、真夏を除き4月~10月に7~10日おきに、薄めの液肥を水やりがわりに与えます。
水やり
鉢のわりに株が大きいものや、晴天の日が続くときには、毎日やりますが、それ以外は2~3日に1回ぐらいの水やりをします。
鉢土の表面が白く乾いたら、鉢底がら水が流れ出るくらいたっぷりと与えます。
ただし冬は、控えめにします。
植え替え
用土は、赤玉土4、腐葉土4、バーミキュライト2を混合したものを使います。
2~3カ月に1回、ひとまわり大きな鉢に植え替えると、大株になります。
木立性ベゴニアは、花後に株の根元から1~2節を残して切り詰め、根も三分の一くらいに切り詰めて植え替えます。
根茎性ベゴニアは、4~5月に植え替えます。